
「カウンセリング」と「心療内科」は、どちらも心の不調をサポートするものですが、そのアプローチや役割は大きく異なります。
カウンセリングとは
カウンセリングは、心理学の知識や技術を持ったカウンセラーが、相談者の話を丁寧に聴きながら、気持ちや考えを整理し、自分自身で答えを見つけられるようにサポートするものです。薬を使わず「対話」を通じて心のケアを行うのが特徴です。
・メリット
薬に頼らず自然な形で心を整えられる
自己理解が深まり、再発予防や成長につながる
不安やモヤモヤなど「病気とは言えないけどつらい状態」にも対応できる
・デメリット
医療行為ではないため、診断や薬の処方はできない
効果が出るまでにある程度の時間が必要
カウンセラーとの相性によって満足度が左右されやすい
心療内科とは
心療内科は医師による「医療」です。うつ病、不安障害、不眠症など心の不調を「病気」として診断し、必要に応じて薬を処方したり、医学的に治療を進めます。
・メリット
医学的な診断がつき、病気として対応してもらえる
薬による治療で症状を早く和らげられる場合がある
保険診療の対象になるため、費用が比較的安い
・デメリット
薬の副作用や依存リスクがある
診察時間が短く、じっくり話を聞いてもらいにくいことが多い
「病気としての治療」に重点が置かれるため、自己理解や成長の部分には踏み込みにくい
どちらを選ぶべきか?
もし日常生活に支障が出るほどの強い不眠、食欲不振、抑うつ状態が続く場合には、まず心療内科で医学的なサポートを受けることが大切です。
一方で、「そこまで重症ではないけれど不安が強い」「人間関係や将来についての悩みを整理したい」という場合には、カウンセリングが向いています。
両方を組み合わせる選択肢
実際には、心療内科とカウンセリングを組み合わせる方も多くいます。薬で症状を安定させながら、カウンセリングで自分を見つめ直す。この二つを並行することで、よりバランスのとれた回復と成長につながります。

